ゴールド投資のこれまでと今後

最終更新日 2023年3月27日

1.金の性質が価値に影響を与えない

1970年代に1gあたり2,000円未満だったゴールドは、今では5,000円前後で取引される状況になっています。

価格が2倍以上になった理由はいくつかありますが、1つは有事が発生して人々の間で不安が起こり、安定した純金を買い求める人が増えたからだと分析されます。

1980年頃には石油ショックや、旧ソ連によるアフガニスタンの侵攻により、一時期7,000円近くまで値が上がったこともあるほどです。

その後は下落して落ち着きましたが、それでも3,000円以上の価格を保ち続け、2001年には再び上昇に転じました。

右肩上がりの状況を後押ししたのは、アメリカがイラクと開戦を始めた2003年のことで、やはりしばらくの間このときも金価格が上昇を続けています。

有事の際に価格が上がることが広く知られたゴールドは、安定した現物資産の代名詞として、トレーダーの間で投資先に選ばれ始めます。

買い手が増えるほど市場価格が上がるのは純金も同じなので、有事だけでなく平時においても、こういったトレーダーの買い支えによる価格安定が実現している状況です。

純金は、仮にもし経済が打撃を受けて株や通貨が価値を損ねても、あまり影響を受けず価値を維持する性質があります。

性質を発揮する理由は、純金がとても安定している物質で、経時的に劣化してしまう恐れがないことです。

また、株を発行する企業のように、価値に影響を与える発行元がありませんから、この点も純金の性質に結びついています。

2.資産を安全に保有できる

一方では火事に強く、万が一火災に巻き込まれることがあっても、価値を損ねず資産を維持できる可能性を持つのが魅力です。

火事現場は1000℃以上になると言われていますが、純金は融点が1064℃で沸点は2800℃と、非常に優れた性質を持ちます。

つまり、他のものが燃えてしまっても純金は残り、溶けていても資産として売却できるというわけです。

世界的な有事だけでなく、身の回りの有事の際も価値を発揮するのがゴールドですから、投資商品として根強い人気があるのも頷けます。

投資商品と考えると、純金は経済動向に応じて価格を上げ下げするので、何もない平時では価格変動が小さく、差益で儲けるのはやや難しいでしょう。

しかし、裏を返せばそれは資産を安全に、安定的に保有できることの表れですし、文字通り万が一に備えられる保険にもなり得ます。

逆に、価格が安いときに買い集めておけば、有事が起こった際の上昇に期待できるので、売却することで差益が得られるはずです。

価格の安いタイミングを狙い、手元の資金で少しでも多く買い集める、それがゴールド投資におけるポイントとなります。

購入方法の1つはインゴット、いわゆる金地金を購入して現物保有を行い、もしもに備えて置いておくことです。

購入自体はハードルが低いですし、場所を選ばず案外身近な銀行などでも、手軽に買える可能性があります。

ただ、価値の塊とも言える純金を保有することになるので、保管や管理方法を決めておくことが重要です。

オブジェのように置いておくだけだと、盗難や紛失のリスクが高まりますから、金庫に入れるなどして保管しておきたいところです。

自宅に金庫がない、もしくは手元に置く不安を感じる場合は、銀行の貸し金庫を利用することで問題が解消します。

3.有事が起こる場合に価格が上がる傾向

ただし、投資目的のゴールド保有だと、貸し金庫の利用料がコストとして影響してしまいます。

貸し金庫などに預ける予定であれば、最初から保管を含めて任せられる積立が、有力な投資商品となるでしょう。

ゴールドリンクのゴールド積立くんに代表される積立は純金を少しずつ買うのと同じで、毎月少量ずつ購入して積立を行い、安定資産を形成しながら膨らませることができる方法です。

手元に金地金を置いておけないのは残念ですが、ゴールドをその手で持ったり見てみたいときは、現物に交換してもらうことが可能です。

十分に積立てから1kgの金地金にしてもらったり、少量だけ引き出すといったこともできるので、安定の積立を行いつつ手元にも置いておけます。

安定しつつ徐々に価格を下げている純金は、今後将来的に世界を揺るがす有事が起こった際に、これまでと同じく上昇に転じる期待感が高いです。

それまでは買いどきを見極める状況ですが、直ぐに値が上がることはないとしても、底を打ったと判断して購入を検討する意味は大きいです。

もし購入直後に価格が落ちてしまっても、再び上昇したり以前の水準まで価格を戻す可能性は高いと思われます。

短期間の内に激しく乱高下する心配があまりなく、下落しても固有の価値は変わらないのが純金です。

今後の金価格をどう見るかは人それぞれですが、過去に起こった事例に習うのであれば、有事が起こる場合に価格が上がると分析できます。

純金以外は反対に、価格が下落して資産を目減りさせると考えられるので、純金の購入で資産を分散させておくと安心です。

今直ぐにまとまった量を購入できる資産がなくても、積立なら数千円で始められますし、安いときにまとめて買えるので、トレーダーだけでなく初心者にも向きます。


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