雛人形には役割がある

最終更新日 2023年3月27日

女の子の健やかな健康を祝うひな祭りに雛人形が欠かせません。
初節句に向けて購入し、3月3日のひな祭りの前後に飾るお人形ですが、近年では購入しないという家庭もわずかながらに増えているようです。
また、第二子になるほど購入率が下がる傾向にあります。
しかし、雛人形の本来の役割を知れば、購入の意味も理解できるでしょう。

そもそも節句とは、季節の変わり目に行う伝統行事のことです。
日本には5つの節句「五節句」があり、そのうちの一つが「桃の節句」と言われるひな祭りです。
「節」は季節の変わり目という意味があり、中国から伝わった暦です。

それが日本の文化と融合し豊作、子孫繁栄、無病息災などを願い、神にお供え物をして邪気を祓う行事となりました。
そのため、ひな祭りの食事や供物にはそれぞれ意味があるのです。

節句の意味と由来

お供え物をしていたことから「節供」とも表記しますが、今は「区切り」という意味で「節句」が一般的です。
女の子が生まれてから初めて迎える桃の節句を初節句といい、誕生という大きな節目ですから、子供の無病息災を願うために行うのが望ましいでしょう。

そして、初節句には雛人形が必ず必要です。

形代(かたしろ)や人形(ひとがた)という言葉をご存知でしょうか?
紙を人の形に切り取ったもので、紙の他には木や草などが使われることもあります。
形代は神社でお祓いをする際に使われる道具の一つです。

形代を個人に見立てて、その個人の穢れを形代に移し、お焚きあげや川に流して厄災を祓います。
一部の地域では形代を川に流す「流し雛」という伝統が今でも行われています。
雛人形は、こうした形代の一つだと考えられているのです。

今のように可愛らしいお人形となり、飾られるようになった原型は平安時代までさかのぼります。

小児誕生の際に、紙の形代の変形として「天児(あまがつ)」と「這子(ほうこ)」という子供の形代となる2つのお人形が作られるようになります。
どちらも用途はおなじですが、天児は宮中で、這子は民間で使われていたとされています。
その後、天児を男子、這子を女子に見立てるようになり、一対とされたものが雛人形の原型です。

また、天児と這子とは別に上流貴族子女の中で「ひひな遊び(ひいなあそび)」が盛んに行われていました。
雛(ひいな)は、紙や布で作った小さなお人形さんのことを指します。
この「形代」と「ひいな」が結びついて誕生したのがお雛様です。
お雛様は次第に立派なものになっていき、処分されるものではなく、飾られるものへと変化していきます。

お雛様の原型が形代なので、子供の無病息災を願うひな祭りという儀式のために雛人形は欠かせないものなのです。
また、子供の災厄を担えるお雛様は一人に対して一体(一組)ですので、姉妹で共同、親のおさがりなどは基本的には良いとはされていません。

お雛様は、娘の嫁入りの安全を願う両親が嫁入り道具として持たせた歴史もあります。
この時に、天皇皇后のような幸せな夫婦となりますようにと願いを込めて、男女一対のお雛様を天皇皇后に見立てるようになったとのことです。
そのため、孫娘に対して母方の実家が購入するものと考えられており、購入者の約半数が母方の実家から贈られています。

ただ、父方の実家が購入した、自分達で購入したという方も一定数います。
自分のお雛様を子供に譲ったというケースも2割弱いました。
節約したいというよりも受け継ぎたいと考えて譲る方が多いようです。
本来、譲渡するものではないとされていますが、強い思いがあるのなら悪いことではないという考えもあるので各家庭で相談して決めましょう。

雛人形の値段相場やタイプについて

お雛様は様々な種類があるのでどれがいいのか迷うところですが、予算、サイズ、スペース、お人形の種類、飾りの種類、好みで選びます。

購入相場は5万円~10万円です。
次いで10万円~30万円、3万円~5万円、3万円以下、3万円以上と続きます。
サイズでも価格は変わりますが、職人の手作りだと小さなものでも高くなります。
事前に飾るスペースと収納スペースを確認しておくとでサイズが搾りやすくなるでしょう。

お人形の種類には衣装着、木目込、一刀彫、焼物や陶器などがあります。
衣装着はお人形に衣装を着せてあります。一般的なお雛様で、見栄えが良いのは衣装着でしょう。
木目込は粘土状ものを型に嵌め込んで形を作り、衣装のシワや模様を刻んで布を張り付けたものです。
一刀彫は荒いタッチを活かした木彫技法です。人の形の木彫りに衣装などが描かれています。

飾りの種類には親王飾り、三段飾り、五段飾り、七段飾りがあります。
親王飾りは男雛と女雛でワンセットの平飾り(一段飾り)です。
元々コンパクトな作りの親王飾りですが、飾り棚に収納できる収納飾り、ケースに入ったケース飾りなどもあり、より保管に適しています。
三段飾り、五段飾り、七段飾りは男雛と女雛、三人官女、五人囃子などを階段状に飾り付けた段飾りです。
段数が多いほどお人形やお道具の数が増え豪華になります。

 

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